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Web小説-武装決起カード大決戦2-

Posted by Futatsubashi on 28th 9月 2009 in Second Life, 小説, 武装決起カード大決戦

「赤き月の民か、古代華皇朝文明でなければこれ程の出力の怪光線…、出せようはずがない!!」

白く雄雄しく輝く光の単線は、明らかに彼等を狙い撃ちにしていた。
それはさながら、バルジオンに近づくのを阻まんが如くに。
一人、また一人燃え死ぬ最中、地平線の彼方より不気味な足並み揃えた行進音が鳴り響く。

シュンシュンシュシュシュン。

空を切り裂く不気味な怪音。
闇の魔軍の地獄の行進、時代の悪意が破滅を誘う。

今、彼等が!!彼等が!!彼等が来る!!

「第三帝国、ナチだ…」
「ですが局長!!今の人類にこれ程の科学力を有した人物が…、いやドイツにも!!これは明らかなオーバーテクノロジーだ!!」
「いる!!一人だけ存在する!!ゲッペルス配下にして時代に意味嫌われた男、悪意の科学の申し子…、その名は…」

ゲイル・ズダーバンが言い掛けた時、地の彼方より迫りし魔軍が一斉に襲い掛かった。
この時既に、ゲイル・ズダーバンを含め、彼等の人数は既に五名余りにまで減っていた。

迫る魔軍は千はいようか。
東西南北、四方八方、縦横左右。そのいずれもから奴等は迫る。
誰もが自らの死を覚悟したが、その時だった!!

「月の神秘の力、ヘリウム3が我手に宿る!!爆砕抜骨(ばくさいばっこつ)アダマンタイト!!」

黒衣の宰相、ゲイル・ズダーバン局長の片腕がありえない方向に捻じ曲がり、得意な骨身が得意気にその肘より露出したのである。
愚かしくも、彼に近付いた黒い影のような魔軍は、哀れにも空気中に全て気化していった。

刹那、魔軍の中心を割り、人知を超越した速度で一人の男が局長等に迫る。
その速さ、まさにKA.MI.KA.ZE(かみかぜ)。

「そうだ、私だよゲイル!!偉大なるドイツが生んだ最高の叡智!!超人超能力研究所所長にして、総統に世界を与える者!!」
「ナイアラー・トテップ!!貴様の仕業かぁぁぁぁっ!!」

人間ではない。
誰もが、ナイアラーと呼ばれた男の顔を覗き込めばそう思ったであろう。彼の顔は犬だった。
いや、正確には彼は人間だ。詳しく語るならば、元(もと)人間である。

彼は、全ての獣人創造の父にして、自らも獣人に作り変えたミュータント研究の第一人者。
それがナイアラー・トテップその人の正体である。

「空を劈くこの光の単線と言い、夥しい(おびただしい)数の軍勢と言い。ついに貴様のプロジェクト李白の大願成就が報われたと言うのかね!!」
「違うね、だが私は見つけたのだよ!!世界を導く偉大な力、神をも超える銀河最強最高の強大な力だ!!シリウス魔界の奥深くに眠っていたよ。」
「華皇朝に?まさか貴様、手を付けたな!!貴様等人類風情が手を付けるべきではない禁忌に手を付けたな!!バルジオンのつがい、それは神のカードだ!!」

今、黙示録の地獄の予言が真実となった。

同日同刻、日本奥飛騨山中。

「貴方、いよいよ別れの刻がやって参りました。短くも、夢のような日々をありがとう。私は、私は幸せでした」

一人の女が、この世と別れを告げようとしていた。
いや、告げるしかなかったのだ。これが時代のうねりその物だったのだから。
男は告げる。

「わかっている。迎夢の事は俺に任せろ。お前は何も、何一つ気にする事等ないのだよ」

男は決して冷酷無慈悲な輩等ではない。
誰よりも彼女を愛していた。
愛していた、愛していたが、女がこの日この世に別れを告げるのはどうにもならぬ自然の摂理だった。

女の腹にはぽっかりと穴が開いていたから。

「こっ、これを…。これのみが、世界を救う唯一絶対無比の希望の光だから…。私達の世代で必ず終わりにして下さい。この子達が笑って暮らせる世界を…」

彼女の腹からは、赤く輝く一枚の神秘のカードが出現していた。

-つづく-

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