さよならアルテミス

Posted by Futatsubashi on 11th 10月 2022 in No Man’s Sky, PC GAME, ゲーム(電遊戯), 日常

【前回までのあらすじ】

レイライン上のポータルを抜けた先は、見た事もない異景の風景。そして、ぼく自身の考え通りに目の前に現れる宇宙の神アトラス。ぼくは、本能的にアルテミスさんやアポロおじさん、それに他でもないぼく自身の風險(危険)が危ないと感じ、その場を逃げ出そうとするのですが…。

↑ここまでが、前回までのあらすじ。

気が付いた時には、別の星系の別の星に転送されていました。おそらくアトラスがやったのでしょう。しかしアトラスがやっtにせよ、一時的でもアトラスから離れる事が出來れば問題はありません。

これ、わたしの想像通りならアルテミスは多分既に世界線がアトラスサーバー内で違うよね。だとすると、コンタクトを可能にするのはあの2人のアノマリーだけで。アポロおじさんも座標値ごと消え果てるか、同座標にいてもアトラスの介入がなければ会えないんじゃないか?

自分自身に対しても同じ事が言えるのですが、自分自身はスペースアノマリーを避けてはいないので、アルテミスさんのように時空の狭間に落ちたのでないのならば。スペースアノマリーが呼び出せる状態であるのならば、現時点で深い心配をする必要はないと思うのです。

アトラスに転送された惑星は、みちゃんの心の友達と一緒にはじめたスタート惑星に良く似た極寒の惑星。思えば、随分と最初の星から遠くに來た物です。でも、最初の星系の基地はセーブしてあるので、普通に宇宙ステーションのテレポーターから帰れるんですけれどね。

でも、やっぱり光年単位で遠い世界の見知らぬ星はどこか哀しい物なのです。さて、墜落現場のアトラスと関係のあるポッドはVPN(境界分離=仮想化されたプライベートネットワーク)に失敗した可能性を示しているので、やはりぼくはアトラスサーバー内の、元の故郷である宇宙に戻って來たと見るべきでしょう。

この状態で、宇宙船を修理して宇宙に戻るとなんらかの座標値が送信されて來ました。そう言えば、アトラスのところを逃げ出そうとした時、最後に考えていたのは””アルテミスを見つけたかった“”だったと思うので、もしかしたらアトラスが…。だとすると、この座標値は…。

啊啊(あぁ)…、啊啊やっぱり…。

これは、この宇宙で良く見る旅人(トラベラー)の墓標だ。生きている内はシミュレーション宇宙内のサーバーと言うか、クライアントソフトが違うから決して出会う事能(あた)わぬトラベラー同士。死んだから、そこにデータが残って顕現(けんげん)化したアルテミスさんのデータ。死んだと言う言い方はこの場合、語弊があるのだけれど。

アルテミスさんはやっぱり、No Man’s Sky内のNPCと言う魂の牢獄に囚われたままなんだね。これを踏まえると、アポロおじさんにはポータルの仕組み、プレイヤー以外同士のトラベラーの接触がどれほど風險(危険)かは報告しない方が良いような気がして來た。アポロおじさんがどれほど著名な冒険家だったとしても、危険過ぎる。

センチネル、ナーダとポーロならそれが可能なのだろうけれど。

アルテミスさん、変わり果てた姿になって…。結末は解っていたけれど(解ると言うよりはここに帰結する未來)、とても悲しい。ようやく会えたと思ったのだけれど、その結果がここだなんて。今生の別れ、もしアルテミスさんが他のトラベラーに会おうとしなければ違う結末があったのだろうか。

その結末も或いはアトラスシミュレーションの…。

赤い大気の惑星が、夕暮れのような眼淚(涙)のようなそんな悲しいアルテミスさんの心を現すように。ただただ、とても悲しい。記憶を失ったぼくを(と言うよりも、はじめから記憶なんてあってなかったような物なんだろう)起初(はじめ)に導いてくれたアルテミスさん。

ずっとあなたに会いたかった。そのためにはじめた宇宙の旅。尊敬するアルテミスさん。今はそれももう叶わないかも知れない。

思えば、ぼくもアルテミスさんの陽炎に囚われた旅でした。追いかけていればきっと子供はいつか、前方を行く大人に追い付く物だと信じていた。今はもう…。ホログラムをスキャンか…。これをスキャンしたところで、””入れ物“”がなければきっと…。

No Man’s Skyのお話は、SFとしてはとても良く出來ているのだなぁ。ゲームとしてのメタ的な部分も、上手くお話に組み込んでいる。同じような事をしようとして、お話が破綻したスターオーシャン3とは全然違う。

やや説明不足で、情緒的かつ象徴的な部分があるにはあるのだけれど。No Man’s Skyの場合は、それが上手い方向に良い意味での孤独感に転化してる。インディーズなのに、こんな素晴らしいゲームは他にはMinecraftしかぼくは知らない(Minecraftは現在はもうメジャー)。

そうだろうね、まえにぼくはここに來た事があるのだろうね(ゲーム内主人公の記憶と言うか予感と言うかデジャビュ)。だからこそ、この結果にきけつしたんだよ。たぶん、スペースアノマリーの2人もおそらく知っているのだろう。知らないとすれば、デジャビュのように記憶が混乱しているだけ。

今はただスキャンしたデータが””そうである事“”を祈るばかり。僅かな可能性の問題。いつか、きっと、どこかで。問題はアポロおじさんだ。このような結末を防げる物なのか、ぼくには自信がない。

アトラスは、アトラスシミュレーションは思ったよりも強固だ。神であって神でない、ある見方をすれば神であっても間違いはない。通常、ぼくたちの住んでいる世界が、宇宙が。アトラスシミュレーションと違う物である確証はどこにもないのだから。

そんな事を思いつつ、ぼくはいよいよアルテミスさんに別れを告げる。偉大なアルテミス先輩。

さよならアルテミス。

ぼくもういくね…。

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