啊啊(あぁ)…,アトラス様
【前回までのあらすじ】
ナーダとポーロさんは、アルテミスは知っている(共通の友人)けれど、アポロおじさんに関しては知らないと言います。しかし、アポロおじさんもアルテミスさんの友人である事は明白なので、時空の狭間に落ちて行方不明か、或いは死んだかも知れないアルテミスさんを助けるために、ぼくは彼の提案と救出作戦に乗りました。
この作戦には、念入りな準備が必要だとの事で。ぼくは、自分の基地にスタッフを雇ったり、自分の武器を強化したりして來たる日に備えて準備を続けました。どうやら、アポロおじさんは高名な冒険家だけって、とても用心深いようです。
↑ここまでが、前回までのあらすじ。
さて、今回はアポロおじさんからの提案でいよいよ、センチネルの攻撃の痕跡(黑いセンチネルがいたコーバックスの工場を襲撃した際に発せられたレイライン)から、長距離移動を可能にするポータルを起動することが可能になるかも知れない象形文字を集める事になりました。これでポータルを起動する事が出来れば、アルテミスさんを救出することが可能かも知れません。
レイライン(古代の遺跡には直線的に並ぶよう建造されたものがあるという仮説)最初の遺跡。ここに1つ目のポータル起動用の象形文字があるようです。象形文字の取得のために、遺跡の装置を起動すると。
“”とある最初(始祖)のトラベラー“”の記憶が展開されました(※トラベラー=主人公と同じように、言語を翻訳する必要なく意志疎通が出來る。宇宙の旅人。コーバックスでも、ゲックでも、ヴァイキーンでもない。主人公と同じ記憶喪失ではじまった第四種族)。
アトラスの影を感じつつ、孤独な宇宙から抜け出して活著的(生きる)意味を探していたそうです。その記憶を読み終わる頃、象形文字が手に入り、センチネルが駆けつけて來ました。やはり、このレイラインはなんらかの重要施設。
と、言うよりもポータル起動用のレイラインと見て間違いないでしょう。すぐに2つ目の直線上のレイラインの位置が割り出されたので、センチネルの警戒が解けるまで隠れて、そこに向かいます。
2つ目のレイライン上の古代遺跡。
中近東のモスクのような、そのような雰囲気がする古代遺跡。ここに2つ目の象形文字が存在するはず。ぼくは、1つ目と同じように装置を起動します。おそらくですけれど、センチネルたちはこのポータルを使用して宇宙のどこにでも散らばっていったのだと思います。
そう考えれば、彼等が銀河全土に勢力圏を分布していった理由の説明が付きます。そして多分…、この宇宙には平行世界の概念があるような気がする…。この恐ろしい仮説が正しい場合、アルテミスさんは…。いや、今は深く考えるのをやめましょう。
アポロおじさんの提案に乗ったのだから、アルテミスさんの無事を相信(信じる)までです。
再び展開される、””とある最初(始祖)のトラベラー“”の記憶。
彼はアトラスに最初に認められたトラベラー。アトラスは彼に問います。『なにが欲しい?』彼は、アトラスに答えました『宇宙の全てが知りたい』のだと。しかしアトラスはそれは無理だと、この最初のトラベラーに告げます。
何故ならば、この宇宙には””18京(けい)の星がある“”から。そして、彼は絶望します。全てを知る前に死にたくはないのに、この大宇宙には知るべき事が、あまりにも多過ぎたから。どうやら、この最初のトラベラーは重要な事柄のようです。
レイライン上の遺跡で、この人物の記憶が展開される以上。多分このトラベラーの記憶は、ぼくにとって重要と言うよりも、大宇宙の神を自称する(そして他称もされる)””アトラスにとって重要“”なのでしょう。これはとても風險(危険)な事です。
何故ならば、その場合アトラスはなんらかの意図があって、事前にこのトラベラーの記憶をぼくの前に展開しているのですから。ぼくは恐怖めいたこの考えが、段々確信に近い物に変わっていくことを自己の中で感じました。
多分8割方合っている…。
不吉な予感を胸に感じながらも、いかなければならないと言う衝動に突き動かされて、最後のレイライン上の遺跡に向かいます。
この大宇宙は、ぼくの創造通りならおそらく…。このレイライン上の遺跡。あるいはこれから起動させるポータルは、システムなんだ。一体全体なんの?それは、宇宙の管理権限の。
ぼくの本部の基地がある、ゲームスタート地点の惑星。あそこにあるポータルを見たときにはわからなかった(確信はなかった)けれど、今ならたぶんそうなんだろうと確信出來る。かつて、センチネルはアトラスに反旗を翻したと言った。
ポータルと言う宇宙の管理権限に、不正にアクセスして宇宙全土に広がった。と言うよりも、そういう事ならば、多分ポータルの本質は、この宇宙その物の移動だけではなく。平行した…。
3つ目、つまりこれが最後のレイライン上の古代遺跡。
ここでも、きっと最初の始祖トラベラーの記憶が展開されるのだろう。おそらくアトラスが見せたがっているのだから。もしかしたら、最初の始祖トラベラーは生きているのかも知れない。でも、もしかしたらアルテミスさんのように。
とにもかくにも、これ自体がアトラスに仕組まれている可能性があるにせよ。もう、ここまで來たら引き返す事はもう出來ないのだから。漠然とした不安のような恐怖を振り切り、最後の装置を起動しなくっちゃ。起動しなくっちゃ…。
No Man’s Sky内の時間で夜から始めた、レイライン上の遺跡巡りも気付けばもう朝。最後のレイライン上の装置起動します。
そして展開される、””とある最初(始祖)のトラベラー“”の3つ目の記憶。
彼はアトラスを呪ったそうです。たとえ、この大宇宙に無限に等しい星々が存在したとしても。どのような犠牲を払っても、この宇宙の森羅万象の全てを知るために、必ずその時まで生き延びてみせると。
どのような犠牲を払っても…。
そして、アトラスは多分これを意図的に展開している。それが指し示す結論は、多分最初のトラベラーは現在…。いや、死んでいる可能性もあるかも知れない。生きている場合はおそらく…。だんだん、漠然としていた不安と結論が、確信に変わっていく。
そして、最後のレイライン上の遺跡の象形文字を手に入れたとき。レイライン上のポータルの位置が判明したので、そこに象形文字を打ちに行きます。
ポータルを起動させて、越えたその先に一体全体なにがあるのか。アルテミスさんは、本当にポータル関連と、センチネルとの問題に巻き込まれて消えてしまったのか?確かめる刻(とき)がやって來たのです。
ここが、レイライン上のポータル。今までの旅の思い、ここまでぼくを導いてくれたのは自己の思いの全て、ずっと頭にとどまっていた願い。それら全てを今一度考え、決断します。
たとえ、この考えが正しくて、アルテミスさんが仮に””そうだったとしても。でも、1つだけ腑に落ちない事があるんですよね。仮に、考察通りそうだったとしても。何故、アノマリーを使わないトラベラー達(NPC)は、プレイヤー達であるトラベラー達と違い、一様にスペースアノマリーに興味を示すことがないのか。
少なくとも、ポーロとナーダに知られていなかったアポロおじさんはともかく。アルテミスさんの方は、過去にはポーロとナーダと知り合いだった訳で。アルテミスさんが、アノマリーに興味を示した場合は。
アノマリーに直行すれば、このような事故は防げたはずなんだよね。スペースアノマリー自体は””向こう側“”に跳躍出来ているから、他のプレイヤーが、オンラインマルチで見えているわけだし。
そうか…。NPCのトラベラーでは、ポーロとナーダ以外そもそもダメなんだ。軸全てに存在するから、結末はだいたい同じに帰結するんだ。だから、便宜上””生きていた””と言うけど。生きていた時と、違って生きているけれど死んでいるのかも知れない。だから、そもそもスペースアノマリーに興味を示さない。
この宇宙は多分…。そしてぼくは、そのポータルに飛び込む。この先には一体全体なにが。
天地が逆さまになったような不思議な天体。ここが、アトラスがぼくに見せたかったもの?いや、多分違う。多分””もうすぐ起こるよ“”。それが、たぶん想像通りに起こる。自信があるもの。
そして、ここはおそらく…。
その時、アトラスプログロムが起動されたと言うシステムメッセージが入ります。啊啊(あぁ)、やっぱり。もうこれは確実だ。間違いない。この宇宙は、アトラスと言う高位生命体か、高位スーパーコンピューターが産み出したシミュレーション時空なんだ。
スーパーコンピューターなのか生物なのか自体はさておき、宇宙シミュレーション仮説が、このNo Man’s Sky時空内では正しいと言うか、ここはアトラスの腹中。だから、プレイヤーでないNPCは…。ナーダとポーロ以外は、結末が。そうか、そう言う事なのか。たぶん全てでないにせよ、8割方この考えは正しいはず。
惑星の地表上の各地から光が噴き上がる異景の風景。さながら、小説””幼年期の終わり””の最後の光景のような、畏怖と神秘、そして幾許(いくばく)かの哀しみと喜びを感じる神秘の風景。アトラスはいつも16と言う数字を示します。
今回のアトラスプログロムの起動も0と1、そして16。と言うことは、やはり高位生命体と言うよりも、スーパーコンピューターに近しい物なのかも知れない。そんな思いを胸に抱きながら、おかしな風景を見つめ、アトラスプログロムの起動を待ちます。
アルテミスさん、アポロおじさん、ナーダとポーロ。今までの旅路で出会った全ての人々。そして、孤独の宇宙(No Man’s Sky)。
次の瞬間。
やっぱり、確信通りにここに転送された。アトラス様の御前、啊啊(あぁ)アトラス様。やはり、この宇宙はシミュレーション宇宙なんだね。あなたが全てを造り出し計算して産まれた宇宙。
神と言うか、厳密には神とは違うけれど。いや、神で合っているのか。この宇宙の造物主にして、サーバーの管理人のような物。それがアトラス様、ここでは便宜上””スーパーコンピューター””と呼ぶけれど。高度宇宙シミュレーションを計算して処理できる物体。
なんのことはない、それが神様。神様と呼ばれる物の正体。と言うか、神様。
“”我々はかつてトラベラーだった。宇宙の塵同然の存在では終わるまいと志した“”。
↑これに関しては複数形を示すので、おそらく始祖のトラベラーの事ではないと思う。おそらく、これはきっと多分…。アトラスがおかれている状況にある、外側の事。No Man’s Skyの世界中で言うなら、アノマリー(初期の宇宙服の外見)が示す、ゲック、ヴァイキーン、コーバックス、トラベラー以外の第5民族。
地球に似た環境の惑星人、或いは太陽系第三惑星地球人その物を示していると思う。トラベラー自体は、それを模してアトラスがNo Man’s Sky世界内に、想像と言うか送り込んでシミュレーションしているのだと思うから。
その場合、アトラスはやっぱり高位生命体よりは高位スーパーコンピューターに近しい存在。我々は、アトラスを想像した地球人型生命体を指し示す可能性が極めて高い。
とすると、大変だ…。アポロおじさんの計画は風險(危険)が危ないし、アルテミスさんを見つけたかったけれど、アルテミスさんは多分もう…。この場を逃げ出さなきゃ。ここから逃げ…(つづく)